皆さん、レイ・ダリオはご存知ですか?
恥ずかしながらジョーカーは昨年末に知りました。世界最大のヘッジファンドを運用しており、リーマンショックを予見したことで有名です。
このレイ・ダリオが再び景気後退を予見しています。更に欧州株を中心に空売りを仕掛けています。空売りとは株価が下がった場合に儲かる投資であり素人はなかなかできない投資手法です。
この動画を見ればレイ・ダリオの言いたいことが理解しやすくなります。
レイ・ダリオは今の世界経済を短期的なサイクルの終焉が近いと見ています。
先ほどの記事を引用します。
ダウ平均、SP500種による市場の混乱直後、ダリオ氏は「周期の循環が予想以上に速度を上げていることに気付いた」ものの、「市場が末期サイクルのどこに位置するのかは分からない」と認めている。「債券市場はピークに達した」が「株式市場や経済のピークにいつ達するのかは不明」である。
利益成長の速度が金利が上がる速度を上回れば、市場は強気に傾く。多額の現金が余っている状態であれば最後にもう一度株価が高騰し、中央銀行が利上げに踏みきる—ダリオ氏はこの古典的な方程式を、株式市場のピークを見極める決定要因としている。
中央銀行の金融政策が市場のバランスをとれる限界は超えており、すでに切り札はでつくした感が強い。ダリオ氏が「1年半〜2年後に景気後退に突入する危険性が高まっている」と懸念する要因はそこにある。
今の世界経済は借金まみれで資金はジャブジャブの状態が継続しています。企業業績は好調です。現在歴史的に株価が割高な水準ですが、企業業績の改善が続くため、金余りの投資家は株を買います。従ってもう一度くらい株価がピークに近づくと見ています。そしてその後・・・。
レイ・ダリオですら次の景気後退の時期を予想することはできません。
個人投資家はどのように対応すればいいでしょうか?実際のレイ・ダリオのポートフォリオをみて対応策を検討したいと思います。
レイ・ダリオのポートフォリオ(2017年12月)
銘柄名 | ティッカー | 保有株増減(前四半期比) | ポートフォリオ内比率 |
バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF | VWO | 減少 | 25.98% |
SPDR トラストシリーズ1 | SPY | 減少 | 20.73% |
iシェアーズ MSCI エマージング・マーケット ETF | EEM | 減少 | 12.61% |
iShares Core MSCI Emerging Markets | IEMG | 減少 | 7.26% |
SPDR ゴールド・シェア | GLD | 増加 | 3.97% |
iシェアーズ MSCI ブラジル・キャップト ETF | EWZ | 増加 | 2.57% |
iシェアーズ iBoxx 米ドル建て投資適格社債 ETF | LQD | 増加 | 2.47% |
iシェアーズ 米国国債 20年超 ETF | TLT | 増加 | 2.20% |
iシェアーズ 米国物価連動国債 ETF | TIP | 増加 | 1.82% |
iシェアーズ iBoxx 米ドル建てハイイールド社債 ETF | HYG | 増加 | 1.81% |
iシェアーズ・コア S&P 500 ETF | IVV | 減少 | 1.79% |
iシェアーズ J.P.モルガン・米ドル建てエマージング・マーケット債券 ETF | EMB | 増加 | 1.70% |
バンガード・FTSE先進国市場(除く北米)ETF | VEA | - | 1.42% |
iシェアーズ MSCI EAFE ETF | EFA | - | 1.41% |
ISHARES CORE MSCI EAFE ETF | IEFA | - | 1.29% |
iシェアーズ ゴールド・トラスト | IAU | 増加 | 1.16% |
その他 | その他 | - | 9.81% |
2017年第4四半期では株式は概ね減少しています。新興国株ETFであるVWO、EEMを減らしています。またS&P500連動のSPYも減らしています。株式関連で増加しているのはiシェアーズ MSCI ブラジル・キャップト ETF (ティッカー:EWZ)です。
新興国株投資は減らしているがブラジルに対しては強気なようです。
他には金(ゴールド)も増加させています。インフレを予想しているようです。ブラジルへの投資増加もそうですがコモディティに対して強気なのでしょうか。ブラジルと言えば資源国でありコモディティ価格上昇時に恩恵を受けることができます。
また債券も増加させています。自分で「債券市場はピークに達した」と言いながら債券を増加させているのは理解できません。これだけの大きなポートフォリオを運用しているためバランスをとっているのでしょうか。
ジョーカーもレイ・ダリオの投資を参考にして金(ゴールド)や債券に投資をしています。当然、金利上昇によりマイナスパフォーマンスです。
今年は債券パフォーマンスはマイナスですがいつか来る景気後退時に備えるための投資と思われます。
結論
今回のポートフォリオの変化からジョーカーが考える景気後退への備えは以下の通りです。
- 株式への投資を抑える
- 金(ゴールド)をポートフォリオに組み込む。
- ブラジルのような資源国への投資を行う。
- 債券への比率を上げる
上記の投資はレイ・ダリオが実際行ったことです。個人投資家としてもETFを利用すればすぐにできることであり参考にしてもいいかもしれません。