「ピーター・リンチの株で勝つ」では株式を6つの分類に分けています。
- 低成長株
- 優良株
- 急成長株
- 市況関連株
- 業績回復株
- 資産株
このほかにも細かく分類する方法があるようですが、一般投資家であればこの分類で十分です。
成長率に関する3つの分類
低成長株、優良株、急成長株の3つは成長率に関連しています。
成長率は一般的に1株当たりの利益(EPS)で測られます。ここで注意が必要ですが、自社株買いにより株式数を減少させてEPSを成長させている企業や、売上高が減少している中で経費を削減して利益を伸ばしている企業は真の成長とは言えないです。
売上高、利益がしっかり伸びている企業が真の成長企業であることを理解する必要があります。
ジョーカーはMorningstarで会社の財務をざっと把握しています。
低成長株は2-4%、優良株は10-12%、急成長株は20-25%の成長率となっています。
間の成長率はどっちつかずの株なんでしょう。
低成長株について
低成長株の特徴はチャートが横ばい、そして高配当であることです。
ジョーカーが保有していたIBMがまさに低成長株です。
2009年のEPS10.01ドルで2018年のEPSは9.52ドルと減少しています。この間IBMはせっせと自社株買いを行い株式数を30%超減らしたにも関わらずです。
下のチャートはIBMの2009年から2018年までの10年間チャートです。2009年はリーマンショック後の株価調整局面であり当初回復しましたが、その後はぱっとしない株価です。
配当利回りは4.48%とS&P500の配当利回り1.89%の2倍以上あります。
低成長株はバリュー投資家からみると魅力的な企業に見えます。歴史ある企業でブランド力もあり、低PER、高配当であることが多いからです。
ウォーレン・バフェットもIBMに投資して失敗しました。天下のバフェットでもバリュートラップに引っかかってしまうので、一般の投資家であれば失敗して当然でしょう。
ジョーカーも失敗していまいました。
低成長株への投資で大きなリターンを得ることは難しそうです。
優良株について
優良株の特徴はチャートは急激な上昇とはならないが右肩上がりです。購入タイミングがよければかなりの利益が得られます。
例えば米国の鉄道大手であるユニオンパシフィック(UNP)が優良株に該当します。
2009年のEPS1.87ドルで2018年のEPSは7.91ドルと継続して増加しています。10年間のEPS成長率は13.3%とIBMとは次元の違う成長率です。
株価2018年までの10年間で20.21ドルから137.52ドルと6.8倍となっています。テンバガー(10倍株)とまではいきませんが、十分なリターンでしょう。
ユニオンパシフィックは配当もありS&P500と同水準の配当利回りとなっています。
急成長株について
急成長株は高い成長率を背景に株価の上昇率も高い企業です。テンバガー(10倍株)が狙える株となります。
紹介するのはアマゾン(AMZN)です。過去10年のアマゾンは紛れもなく急成長株でした。
2009年のEPS2.04ドルで2018年のEPSは20.14ドルと10倍になっています。10年間のEPS成長率は29.7%でありユニオンパシフィックの2倍以上あります。
株価2018年までの10年間で54.36ドルから1,501.97ドルと27.6倍です。テンバガー(10倍株)達成した後に3倍になっています。
PERを銘柄選択に利用する投資家は急成長株への投資ができない
ジョーカーは今まで急成長株は避けてきました。なぜならPERが高すぎだからです。実際アマゾンのPERは60以上あります。
少し株式投資を学んだ投資家はPERが最も重要な指標だと知っています。PERが高い銘柄はリスクが高く投資資金を失うリスクがあると学びます。
投資家はPERを割安、割高の判断に利用してIBMのような低いPERの株式を購入します。しかし低PERの銘柄は長期間低いPERのままの可能性が高いです。
大化け銘柄の分析によると、投資家たちに浸透しているこの考え(PERによる投資判断)は実は誤っているという結果が出たのだ。実際のところ、PERは株価の動きとは関連性がなく、株式の売買判断にはほとんど役に立たないという事実が示されたのだ。
「オニールの成長株発掘法」より
日本で株式投資を行っている投資家はウォーレン・バフェットやシーゲル先生の影響を大きく受けていると思われます。
実際ジョーカーもかなり影響を受けました。
しかしここで考え方を変える必要があるのではと思うようになっています。
バリュー投資に偏った場合、低成長株ばかりのポートフォリオになってしまいます。せめて優良株に投資したいものです。
今、ジョーカーは急成長株への投資を検討しています。少なくともポートフォリオの一部は急成長株を取り入れ、テンバガーを目指すのが個別株投資の醍醐味ではないかと思うようになりました。