ジョーカーの資産運用ブログ

米国株・資産運用・家計を中心に書いていきます

連続増配60年以上の配当王プロクター&ギャンブル(PG)について

プロクター&ギャンブル(ティッカー:PG)は世界最大の日用品メーカーです。

日本でも事業行っており日用品メーカーの中では花王に次ぐ2位のポジションとなっています。

 

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180年以上の歴史があり世界180カ国以上でビジネスを展開しています。連続増配61年と配当王としても有名であり米国株投資家は必ずチェックする銘柄と言えます。ジーカーも投資を行っている銘柄です。

 

洗剤のアリエール、消臭剤のファブリーズ、シャンプーのパンテーン、化粧品のSK-Ⅱ、おむつのパンパース、髭剃りのジレット等日本でも馴染みのあるブランドが多数存在します。

 

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Our Brands | P&G UK

 

財務データについて

過去10年間のPL推移

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売上高は減収傾向です。主要ブランドの選択と集中を進めており2016年10月には化粧品関連のブランドを米国コティ社に売却しました。

2017年6月期には52億ドルの非継続の利益が含まれているため注意が必要です。この影響を除けば101億ドルの利益であり前期と同水準の利益となります。

 

株式数、1株利益、配当、FCFの推移

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株式数は減少、配当は増加傾向であり株主還元に積極的な企業の典型的な形となっています。2017年6月期の株式減少が大きいのは化粧品部門を14.6億ドルで売却した資金を自社株買いに充当させたからです。

 

2017年6月の1株利益は5.59と前年比51%増加しています。こちらは事業売却の影響が含まれているため注意が必要です。事業売却等の影響を除いた1株利益は3.92となり6.2%の増加となります。

 

調整後1株利益3.92ドルに対して年間配当2.7ドルであり調整後の配当性向は68.8%となります。配当金の増加余地は残っていますが余裕とまでは言えない水準です。

営業CF、FCF、売上高FCF比率の推移

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キャッシュフローも若干ダウントレンドです。売上高FCF比率は比較的安定しています。成熟した企業であり売上をキャッシュにかえる仕組みが完成しています。

 

インタレストカバレッジレシオ、ROE、ROICの推移

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こちらもROE、ROICが改善しているように見えますが事業売却等の一過性要因を除けば横這いです。

 

過去10年間の貸借対照表の推移(パーセント表示)

<資産の部>

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<負債及び純資産の部>

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借入金比率が増加していますが現預金も合わせて増加しているので心配はなさそうです。

資産の部ではは無形資産の比率が大きいですね。これはM&Aによる企業買収の際の「のれん」の影響です。無形資産が大きい企業は減損により一気に利益が吹っ飛ぶ可能性がありますがP&Gの場合は買収した事業も軌道に乗っており問題なさそうです。

 

PER及びShillerPERの推移

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現在のバリュエーションは過去と比較すれば割安感はありません。こちらも2017年からPERが低下していますが一過性要因が含まれている影響です。PERの中身をよくみなければいけません。

シラーPERで見た場合、多少の割安感はあります。

直近の業況について

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Press Release | P&G

 

2017年12月の第2四半期報告書では好調な決算を発表しました。販売数量は全体で2%の増加、売上高も3%の増加です。オーガニックの販売数量、売上もともに2%増加となっています。

 

2018年6月期決算のガイダンスは売上は2~3%の増加、EPS成長は5~8%の増加を見込んでいます。EPSの増加要因はオーガニックな収入の増加以外にもドル安によるプラス要因、株式数の減少による増加が影響です。

 

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PG | SharpChart | StockCharts.com

 

好調な決算発表にも関わらずP&Gの株価は厳しい動きです。

P&Gは非常に割高感の強い銘柄だったため調整が入ったと思われます。それだけ投資家からの期待値が高い企業だったということでしょう。

チャートだけみれば今は買い時かもしれません。

しかし、ジョーカーは追加投資はまだしません。保有方針を続けたいと思います。