ジョーカーが2月に購入したアライアンス・データ・システム(ティッカー:ADS)が暴落しました。
非常に悲しいですが要因をみていきます。
アライアンス・データ・システムズは3つの事業で成り立っています。
- クレジットカード事業
- ポイント制やマイレージなどの顧客ロイヤリティプログラム「LoyaltyOne」
- 広告代理店「EPSILON」
今回、広告代理店事業「EPSILON」をフランスの広告代理店に売却する契約を締結しました。この売却価格が市場が想定していたものよりも安かったため、アライアンス・データ・システムズが10%近く下落しました。
アライアンス・データ・システムズはEPSILON事業を44億ドルで売却する予定です。
これはEPSILON事業の2018年EBITDAは4.7億ドルであり、EV/EBITDA倍率は9.3倍となります。諸経費等を除けば、アライアンス・データ・システムズは39.5億ドルを手にすることになり、これはEBITDAの8.4倍となります。
下のチャートは各国のEV/EBITDA倍率を比較したものです。広告代理店事業をどの業種に分類するかで評価は異なりますが、アライアンス・データ・システムズはデータ分析を得意とした企業でありITに類すると考えれば8.4倍という数値は低いです。
EPSILON事業を格安で売却したとしてアナリストはアライアンス・データ・システムズを格下げし、結果として株式は売られることになりました。
本当にEPSILON事業は格安で売ったのでしょうか。もう一度セグメント別の売上、EBITDAの表を見ると、EPSILON事業は成長していないことがわかります。
アライアンス・データ・システムズの成長の源泉は売上、EBITDAともに伸びているカード事業です。EPSILON事業だけでは成長していないため売却価格は妥当であったとも考えられます。
このように考えれば今回の株価下落は投資のチャンスとなります。
ジョーカーは今回の株価下落を受けて追加投資も検討しましたが、すぐの投資は控えることにしました。
理由は、アナリストの評判が悪いため、ずるずると機関投資家が売る可能性があるからです。
しかし、ジョーカーが考えたように一部の投資家が今回の売却を見直した場合、株価は反発する可能性があります。そうなればジョーカーも追加投資に動きたいと思います。
当面はずるずるとダウントレンドが継続する可能性があるため、注意が必要です。