ジョーカーの資産運用ブログ

米国株・資産運用・家計を中心に書いていきます

【AAPL】バフェットはなぜアップルに投資をしたのかを考える

本日はなぜウォーレンバフェットがアップルに投資したのかを考えていきます。これはジョーカーの意見なのでバフェットが実際に考えたものではないことに注意して下さい。

 

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アップルはビジネス上の堀を有しているか

これは「はい」でしょう。バフェットが優良企業と考えている企業には必ず堀が存在します。これは長期的に企業に利益が入る仕組みがあるということです。逆に堀がない企業は安値競争に陥ります。

アップルにはブランド力があり、iPhoneを値上げしてもついてくる多くのファンがいます。ブランドは堀の一つです。iPhoneやMacを持つことで「できる人」とアピールできます。スタバでマックを触っているだけでなんだかいい気分になりますよね。これがブランドです。マックを持っている人はたいしたことなくてもまわりから見れば「意識の高い人」(←いい意味かわかりませんが・・・。)と認識されます。

最近パンチのきいたサービスは減っていますが、新しいサービスを提供し続けており今後もファンはアップルの経済圏で生活をするでしょう。

消費者がアップル製品を利用する限り、アップルに利益がもたらされるシステムを築いています。

 

1株当たり利益(EPS)は安定して成長しているか

下のグラフはアップルの1株利益(EPS)、配当、1株FCFの推移です。綺麗な右肩上がりです。過去10年間ではEPSは1.3から11.91に成長しています。これは31%で成長したことになります。

この期間に株価は14.06から223.99ドルまで伸びており31.8%のリターンとなりました。EPSと株価には相関があるためEPSが安定して上昇する企業は株価も上昇することになります。

この10年間はiPhoneという世界をかえた製品が世に普及する期間だったので成長率が高まったと考えられます。アップルの次の10年は今までの成長率で伸びるのは難しいのではないかと思います。

 

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安定的に高い株主資本利益率ROEを維持できているか

下のグラフではROEは常に高い利益率を維持していることがわかります。また優良企業で基準であるROIC15%以上も維持しています。いい企業ですね。インタレストカバレッジレシオも十分です。何よりアップルには多額の現預金があるため財務面もかなり強いです。

 

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アップルは競争力を維持するために多額の投資を必要とするか

この答えはイエスです。アップルは多額の投資を行っています。しかし営業CFの範囲からすれば問題ないでしょう。下の表は営業CFとFCFの推移です。この差が投資となるため、このタイトルの答えは「多額の資金を投入しているが、稼ぐ力と比較すればそこまでおおきくない」ということになります。

 

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株式を疑似債券と考え期待収益率を計算してみる

今までアップルは優良企業であることを説明してきました。次に今後の期待リターンを計算してみましょう。

バフェットの考え方は株式を疑似債券と考える点です。詳しくは「億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術」読んでください。

計算過程を省きますがアップルを疑似債券とみた場合を考えましょう。

10年後のアップルの1株利益は120ドルを想定しています。これは約26%でEPSを成長させたとうことです。これは今までの成長率からすれば少し低いですが、iPhoneという成長エンジンがない中ではかなり楽観的な成長率かもしれません。

仮に成長が鈍化して15%成長とすれば1株利益は48ドルとなります。

10年後の1株利益にPERをかければ10年後の株かとなります。ここでは計算しやすいのでPERを10としましょう。

楽観シナリオでは1,200ドル、成長鈍化シナリオでは480ドルが10年後の株かとなります。

仮に170ドルでアップルを購入した場合の10年間リターンは年率で1200ドルなら21%、480ドルなら10%となります。これに配当を加えればトータルリターンです。

どうでしょうか。わるくない投資だと思いませんか?

10%のリターンが見込めるのであれば投資したほうがいいですよね。もしPERが10より高ければ、もしEPS成長率が15%以上高ければと考えればさらにリターンはあがります。逆にPERがさらに低下したり(今の車関係みたいに低成長産業と市場にみなされる。)、成長率が15%を下回ればリターンは下がります。成長率15%でもかなり高い水準であることを考えるとこのシナリオの可能性も考えなければなりません。これが投資のリスクでしょう。

 

最後に

ジョーカーはアップルはやっぱり長期保有だなと改めて感じました。

しかし足元のアップルの業績は減収減益であり良くないです。今はアップルの堀が試される場面です。もし堀があれば再びアップルは復活するでしょう。コカ・コーラだってかつて新コーラを発表して失敗したことがあります。

 

 

www.cocacola.co.jp

 

優良企業のコカ・コーラだって間違うんです。アップルだって失敗するでしょう。世界にアップル製品を求める人がいる限り、アップルの存在意義はあります。今苦しい時期のアップルですが、株式の購入タイミングとしてはいいかもしれません。また既にアップルを保有しているのであれば急いで売る必要はないでしょう。

売却するタイミングはアップルの優位性、ブランド力が失われたときです。今はまだその時ではないと思います。