株式投資のリターンについて考えていきたいと思います。
株式リターン = 値上がり益 + 配当
値上がり益 = 売却価格 - 購入価格
ここで株価=EPS × PER であるため
値上がり益 = 売却時(EPS × PER) ー 購入時(EPS × PER)
となります。
つまり株価の値上がりのためにはEPSの上昇もしくはPERの上昇、できれば両方が上昇が望ましいです。
PERはコントロールが難しいです。マーケットがその時その時で評価を下します。市場が調子いいときにはPERは拡大します。逆に調子が悪いときにはPERは低下します。マーケットの気分によるところが大きいと思います。
PERは企業成長スピードがあがるとマーケットが思えば高くなります。また金利が低いほどPERは高くなります。グロース株のPERは高いですよね。
PERの上昇要因:将来の利益の拡大、金利の低下
EPSは企業の利益の上昇すれば当然あがります。また株式数の減少は1株当たりの利益を増加させることになります。
EPSの上昇要因:実際の利益成長、自社株買いによる株式数の減少
企業の利益をあげる方法は売上を増やす or コストを削減するのどちらかです。コストはゼロにすることはできないことを考えれば売上を増やし続けることが永続的な利益成長につながります。
売上構成は単純化すれば 単価 × 数量 となります。物・サービスの価格が上がれば売上はあがります。また販売数量やサービスの回数が増えれば売上はあがります。
当然のことです。
売上高 = 商品単価 × 数量
提供している商品の価格を上げられる企業、提供している商品やサービスの数量を上げることができる企業は売上を増加させることができるためいい企業です(コストも当然大切ですが)。
「堀」がある企業は価格を上げることができます。最近のiPhoneもそうですし、プライム会員の価格をあげたアマゾンもそうです。またネットフリックスも価格あげましたね。
日本でも一部、日用品の値段もあがってます。このような企業がある中で、値段をなかなかあげられない商品、サービスを提供している企業もいます。このような企業はいい企業ではないです。
「堀」がある企業は値上げできるため利益率は落ちません。堀がない企業は値下げする必要があるので利益率がおちます。利益率はいい指標になります。
販売単価を上げられる企業 = 堀がある
数量が伸びれば売上は伸びます。数量の増加は主に市場の開拓によってもたらされます。
例えばiPhoneが発売された時代に戻ったとします。みんなガラケーを使っている時代です。この時代でアップルはiPhoneという画期的な製品を作って発売しました。当然、みんな持っていないため販売数量は伸びていきます。販売数量の伸びによりアップルの売上は奇跡的な上昇をみせました。
またスターバックスを考えましょう。販売数量を上げる方法は新店舗の出店です。これは非常に分かりやすいです。今スターバックスは中国に注力しています。米国では飽和状態みたいなので売上をあげるためには新市場が必要なのです。
次にビザを考えましょう。ビザも売上が伸びています。これは世界的なキャッシュレス化という市場の拡大があるからです。iPhoneやスターバックスは飽和した感がありますが、ビザには飽和した感はありません。ビザが市場からうけるPERの高さはこの市場の拡大があります。
販売数量が伸びる企業 = 販売できる市場が残っている、市場が拡大している商品を提供している企業
「堀」があって、商品を販売できる市場が残ている、もしくは拡大している企業は株式リターンが高くなるでしょう。
当たり前のことを書くなと怒られそうです・・・。
簡単に思いつくのはビザやマスターカードです。
先ほど書きましたがキャッシュレス化は今後も継続が見込まれます。またビザ、マスターカードのようなサービスを新しく提供するには多額の資金が必要となり対決を挑むのは容易ではありません。最近のQRコードによる決済も伸びそうですが最終的な支払はクレジットカードを利用するものも多くみられます。クレジットカードを全く介さない新たな決済サービスを提供するのは非常に困難でしょう。これはまさしく「堀」です。
値上がり益 = 売却時(EPS × PER) ー 購入時(EPS × PER)
もう一度値上がり益の式を書きました。ビザ、マスターカードは将来的にEPSは上昇するでしょう。あとは購入時のPERが高すぎなければ損はしないでしょう。
以上、本日は株式投資のリターンがについて長々と書いてみました。
最後まで読んでくれた方はありがとうございます。