ジョーカーの資産運用ブログ

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企業の「堀」について考える~消費者独占企業とコモディティ企業

 

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今日は企業の堀について考えていきます。

 

昨日のブログで株式投資のリターンは究極的に売上を伸ばし続ける企業が投資リターンが高くなると書きました。

 

 

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売上高 = 商品単価 × 数量

 

売上高は上記のように単価と数量に分解することができます。商品単価を上げ続けるには「堀」が必要になります。競合よりも高い価格で似て商品を消費者に勝ってもらうには何かしらの理由が必要です。それが堀です。

億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術では「堀」のことを消費者独占と書いています。「堀」を有する企業は消費者独占企業となり、「堀」がない企業はコモディティ企業という書き方をしています。

 

バフェットは企業が消費者独占企業かコモディティ企業かを見分ける際に次のように自問自答しています。

 

  1. もしその企業が株主資本をすべて配当で投資家に還元したと仮定して、その後に何がしかの価値が残るだとうか。その答えが「イエス」ならその企業は消費者独占力を持っている可能異性が大きい。バフェットがアメリカンエキスプレスに投資したした時には大変な経営危機に見舞われ、株主資本がほとんど枯渇しかけたことがあった。しかしアメリカンエキスプレスには「アメックスカード」というブランド=「堀」があったため回復した。
  2. 今ここに何十億ドルもの資金と、これはと思う50人からなる経営チームを集める力があるとする。この力を利用すればその投資対象となる企業に太刀打ちできるような新会社を作り上げることが可能だろうか。答えが「ノー」ならその企業は強い消費者独占力を有している。

 

 

2つ目の自問自答がいいですね。消費者独占企業の競合相手が利益度外視で相手に戦いを挑んだ時にどの程度ダメージを負わせることができるか。相当なダメージを負わせられるのであれば、それはコモディティ企業です。消費者独占企業へのダメージは小さくなります。

 

消費者独占企業の株価は非常に高くなります(PERが高い)。そして消費者独占力をしなった時に市場の評価が下がり(PERが下がり)、投資リターンがマイナスとなるリスクがあります。

従ってこれから投資家にリターンをもたらす銘柄は今市場が消費者独占企業と判断している企業ではなく、未来の消費者独占企業に対して投資することです。

これは時代の流れや規制、合併による競合の減少等による環境の変化に敏感になる必要があります。

バフェットが儲からないとされる航空機業界に投資したのは驚きましたが、競合の減少やAIを活用した効率的な価格の変動システム、予約システムにより儲かるビジネスになったと考え投資を行ったのでしょう。

マーケットが儲からない事業と判断している企業(低PER企業)への投資は将来的に消費者独占となった場合に大きなリターンをもたらします。

しかし多くのコモディティ企業(低PER企業)は長期的にコモディティ企業(低PER)のままであることが多いので低PER=購入ではないことに注意してください。

 

 

消費者独占のタイプとしては

  1. 強いブランド力があり、販売業者が扱わざるをえないような商品を作る事業(例:コカ・コーラやフィリップ・モリス、アップル等)
  2. 他の企業が事業を続けるために継続的に使用せざるを得ないコミュニケーション事業(例:フェイスブックやグーグル)
  3. 企業や個人が日常的に使用し続けざるをえないサービスを提供する事業(例:クレジットカード事業、セールスフォースやアドビ、害虫駆除事業)
  4. 宝石・宝飾品や家具などの分野で、事実上地域独占力を持っている小売事業(例:ホームデポ、コストコ)

があります。

 

繰り返しますが、このような消費者独占企業は通常割高で取引されています。従って買うタイミングは相場が調整した時、景気後退期、企業の特殊要因(一時的要因)により下落した時、そして企業の合併やスピンオフ等により構造が変化した時となります。

 

今まで企業の「堀」、消費者独占企業について書きました。株式集中型のポートフォリを構築するのであればバフェットのようなボトムアップアプローチは必ず身に着ける必要があると思います。株式投資は企業の一部を所有することであり、事業内容(ビジネス内容、堀の深さ)を理解することが大切です。そして自分で考え、理解すれば株が暴落した際にも下手に売ることはなく自信をもって保有し続けることができます。これができない投資家は個別株への投資ではなくETFを利用した分散ポートフォリオを作成することをおすすめします。その際には株式だけでなく、債券、REIT、米国外資産といった多様な資産へ分散して下さい。

 

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