今の米国株は高値圏で推移しており短期的には調整局面に入ると考えています。
私は高値圏・安値圏の判定の一つにシラーP/Eレシオを使っています。
1期だけの利益でみたPERではブレが大きいため10年の移動平均利益から算出するシラーP/Eレシオはブレが小さく本質的な数値を知ることができるからです。
*シラーP/Eレシオ=現在の株価÷インフレ調整後の過去10年の1株当たり純益の移動平均
「Shiller PE Ratio」より
足元のシラーP/Eレシオから考えること
2017年3月17日時点のシラーP/Eレシオは29.3です。
この状況から考えると以下のことが考えられます
- 株価はいつ暴落しても不思議ではない状況
- シラーP/Eレシオが過去平均まで下がる場合、株価は42.9%下落
- 過去の最大値まで株価上昇するとすれば株価は50.8%上昇
以上、暴落した場合のシナリオも想定して投資することが大切だと思います。
最近は長年続いた強気相場から暴落論を唱える方が多いように思いますが、更なる上昇の可能性もあることは頭に入れておきたいです。
暴落への備え(セクター別の暴落時の下落率)
リーマンショック前のピーク(2007年10月)からリーマンショック後のボトム(2009年3月)での各セクターETFの下落率の比較
ITバブル崩壊時のピーク(2000年8月)から崩壊後のボトム(2002年10月)での各セクターETFの下落率の比較
- 生活必需品、ヘルスケアは2つの暴落局面で下落率は比較的小さい
- 公益事業は暴落時にはそこそこ強い
- 素材と一般消費財は市場平均並みの下落。ITバブル時は強かった。
- エネルギーは過去の暴落相場ではそこそこ強い。暴落よりも原油相場の影響が大きい
- 資本財はS&P500と同じくらいの下落率
- 金融セクターは暴落に弱い
- ITバブル時のテクノロジーの暴落の教訓がありリーマンショック時は市場平均よりも下落率は小さかった。高すぎるPERの銘柄は避けるべきです。
【結論】生活必需品とヘルスケアが最強
以上の検証から暴落への備えは生活必需品とヘルスケアセクターの投資割合を増加させることだと思います。
気になるのは全ての投資家が生活必需品とヘルスケアの投資割合を増加させた場合は結局、2つとも更に割高になり暴落時には市場平均並みの下落率になることです。
この点は更に検証が必要です。
金融株については暴落前での投資は控えておきましょう。