- ユニコーン企業の代表格であるリフト(LYFT)がIPO実施。2019年にはユニコーン企業のIPOが続く予定
- ユニコーン企業は赤字だがカネ余りでIPOは成功する
- 株式相場は再び上昇トレンドに戻る。警戒モードの機関投資家の資金も動けば今後バブルが発生する
- その先は大暴落が待っている
リフト(LYFT)上場
アメリカのユニコーン代表格である配車大手リフト(ティッカー:LYFT)が新規株式公開(IPO)を実施しました。
リフトとは
カリフォルニア州サンフランシスコに本社を置く配車サービスの企業です。共同創業者のローガン・グリーンとジョン・ジマーが“人の移動に革命を起こす”べく2007年に創業、2012年に現在の事業につながる配車サービス(オンデマンドのライドシェア向けピア・ツー・ピア市場)を立ち上げ、2013年に社名をLyftに変更していまに至ります。
主要な株主として、楽天の三木谷氏が13.1%、楽天ヨーロッパが13.1%、GMが7.8%、運用会社のフィデリティ関係会社が7.7%、ベンチャーキャピタルのアンドリーセン・ホロウィッツ関係会社が6.3%、アルファベット関係会社が5.3%を保有しています(IPO前)。楽天の三木谷氏は取締役会メンバーでもあります。
「配車サービス」(ライドシェア)では世界中で多くの企業が興っていますが、同社は上場第一号となります。来月には業界最大手のウーバーの上場も観測されており、「配車サービス」はネットサービスの新カテゴリーとして株式市場の注目が高まっていると見られます。
SBI証券より
楽天の三木谷社長が個人で13%、楽天ヨーロッパで13%と日本企業が筆頭株主になっているとは知りませんでした。
リフト(LYFT)の29日時点の時価総額は222億ドルです。単純計算で三木谷社長は28.8億ドル(3,174億円)を手に入れたことになります。
リフト(LYFT)は急成長していますが、まだ赤字の会社です。この赤字の会社が成長を武器に世界中から投資マネーを集めることに成功しました。
下の表はリフト(LYFT)の業績です。
2018年12月期の赤字は9.1億ドルです。黒字化前のIPOで成功した例と言えばアマゾンでしょう。
アマゾン(AMZN)はITバブル前の1997年に上場しました。その後、2002年まで赤字が続きましたが成長性を武器に投資マネーを集め今では世界最大手企業までのし上がりました。
このアマゾンの上場時の赤字額は2,800万ドルです。
リフトの赤字額はアマゾンの上場初年度の約30倍だ。投資先としてのリスクは格段に大きい。
日経新聞より
ユニコーン企業の上場が続く2019年
今後、ユニコーン企業のIPOが続く予定です。
- 配車大手のウーバーテクノロジーズ
- 民泊仲介のエアビーアンドビー
- 写真投稿サイトのピンタレスト
- ビジネスSNSのスラック・テクノロジーズ
これらのユニコーン企業は巨額の投資資金を必要とするため上場時はリフトと同様赤字となる予定です。
ただ成長性が非常に高く、将来は利益がでるという期待で世界中の資金を集めることに成功すると思います。
これはITバブル時に起こった現象です。
次のバブル崩壊は再びITセクターから起こるか
今後、ユニコーン企業のIPOが続き、世界中から資金を集めた場合、米国株式市場はバブルに向かう可能性があります。
FRBは既に利上げは諦めており、利下げ予想も強まっています。
緩和的な環境が続く限り、投資マネーは成長を求め、利益がでていないIPO間もない企業にも巨額の資金が向かいます。
これらのIPOや値動きの軽い小型株で儲けた一部の投資家の話題が広がり、一般の投資家もIT銘柄を買いあさるようになるかが今後の分かれ道となります。
シラーPER(長期的な株価の割高・割安の指標。シラーPERが高いということは株価は割高)の水準は現在、過去平均に比べ高い水準ですが、ITバブル時比べればまだまだ低い水準です。
また最近、景気後退前に出現する逆イールドが発生しましたが、ITバブル前の逆イールド発生時からピークまで株価は45%上昇しています。
このような事実を踏まえれば、今後株式相場は上昇に向かう可能性があります。
警戒モードの機関投資家が動き出す時にバブルが発生
世界景気がまもなくピークアウトを迎えるとの見方から、機関投資家は警戒モードに傾く。
日経新聞より
機関投資家は現在、逆イールドの発生やリーマンショックから10年経過と次の暴落を恐れており警戒モードに傾いています。
もし警戒モードの機関投資家が、再び株式相場に戻ってきたら、株式相場は再び上昇トレンドに戻ります。この上昇相場に乗り遅れまいと投資家が続きバブルが発生する可能性が高まります。
FRBは当面金利の引き上げはできず、バブル発生を口先で抑えようと試みるでしょうが、トレンドを崩すことはできないでしょう。
そしてピークに達した株式相場はどこかで崩壊するでしょう。次の暴落はリーマンショックを上回る規模のものかもしれない。