今回はTVストリーミングプラットフォーム企業のROKU(ティッカー:ROKU)についての記事です。ジョーカーはストリーミング市場の成長の追い風もありROKUにとって良い環境になったこともあり、投資を行いました。
しかし、この分野はアマゾン・グーグル・アップルといったIT業界の巨人と戦う必要がある分野です。特にアマゾンの動きには注意が必要になります。
ROKUとは
ROKUは米国ではトップシェアのTVストリーミングプラットフォーム企業です。
2016年と古いデータですが、この時点では市場シェア約半分をROKUが占めています。
米国のテレビ市場はコードカットが継続しておりストリーミング市場は年々増加しています。
*アクティブユーザー数では最近アマゾンが3,000万人以上と発表しており、ROKUの2,910万人を上回るユーザー数であることから注意が必要です。
昨今でもディズニーやアップルが独自おストリーミングサービス開始を発表しており盛り上げっている市場でもあります。
ROKUはこのストリーミングサービスを家庭のテレビで簡単に見れるようにする器材を販売しており、またシャープ等のテレビメーカーのスマートTVにプレインストールされているOSソフトウェアを提供しています。
最近では米国で販売されているテレビの3台に1台はROKUのソフトが組み込まれています(2019年Q1より)。
*2018年では4台に1台がROKUのTVだったと発表しており、スマートVTでのシェアが伸びていると思われる。
ROKUとその他企業との違いはROKUがあくまでプラットフォームにのみ注力している点です。アマゾン、アップル、グーグルはそれぞれ独自の動画サービスを提供しています(アップルは提供予定)。動画のコンテンツ制作する側からすれば、自分のライバルが提供するプラットフォームよりもより中立的なプラットフォームであるROKUのほうがコンテンツ提供しやすいです。
ROKUの業績推移
ROKUは成長段階であり収益面では赤字であることからPER等を基準にした従来型の投資指標では会社の価値を見極めることはできません。このような企業の場合、売上の質及び成長が非常に重要になります。
ROKUは依然はTVでストリーミングコンテンツを視聴するための機材販売(Player revenue)が大きかったですが、2018年にはROKU上で提供する動画アプリ及び広告収入(platform revenue)が上回りました。売上の質としては器材販売よりもプラットフォーム収入のほうが質の高い売上と言えます。
*プラットフォーム収入はチャリンチャリンと入るストック型の収入でプラットフォームが巨大になればなるほど指数関数的に増加していく収入。対して器材販売は消費者が購入してなんぼのフロー型収入。ストック型のほうが安定的な収入を得られるため質が高いと言えます。
直近の決算ではROKUの成長が予想よりも優れていたこともあり株価が急上昇しました。また通期予想も引き上げています。このように良い決算が今後も続くようであればROKUの株価も上昇していくでしょう。
直近の株価チャート
https://stockcharts.com/h-sc/ui?s=ROKUより
直近決算が好調であり株価は上昇しています。その後は貿易戦争の激化が懸念されて株式相場全体がネガティブな環境になったため横ばいの動きです。