JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOは4月4日、株主向けの書簡を公表しました。
アメリカ最大規模の銀行であるJPモルガンを率いるCEOの書簡であり、大変勉強になるかと思います。
2018年第4四半期の株価下落について
昨年末の株価下落について述べています。下落の原因としては
- ドイツ景気の悪化
- イタリアがEUによる規制を否決
- Brexitの不確実性
- 米国と中国の貿易戦争
- 米国政府の閉鎖
- 米国の金利上昇と量的緩和の終了
という内容です。
ジェイミー・ダイモンが強調したいのは上記の内容は既に市場参加者は知っていることだったが、市場は楽観主義から悲観主義へ突如変化したということです。
そして今回で4,5回目となる急激なボラティリティの上昇と急激な流動性の低下が行ったということです。
*流動性の低下とは売買(取引)が成立しずらくなったということ
これは来るべき次の暴落の前兆であるかもしれないと記載されています。
現時点の市場は再び楽観主義が広まっています。株価は回復してきており、この上昇に乗り遅れまいと投資家が再び株式市場に戻ってきています。
しかし、世界的な景気の停滞、Brexit、ポピュリズムの広がり、貿易戦争等は解決されておらず、市場は再び突如悲観主義に傾く可能性があります。
次回の調整局面をいつ来るかを予想することは困難です。従って投資家はボラティリティの上昇に常に備えておかなければなりません。
具体的な対策としては
- キャッシュポジションをあげる
- 保守的な投資を行う
- 不況に強いビジネスを行う企業に投資する
- バランスシートが強い企業に投資する
が考えられます。
米国経済は2020年と2021年に様々な問題に直面する
ジェイミー・ダイモンは2020年及び2021年に米国経済は様々な問題に直面すると考えています。
また次の景気後退は前回(リーマンショック時)の景気後退に似ていないかもしれないと記載されています。
この記載からジェイミー・ダイモンは来年、もしくは再来年に米国経済は景気後退に陥ると考えていると思います。
多くの著名投資家も今は景気サイクルの終盤であり、不況の到来を予想しています。
これは今すぐ株式投資から撤退すべきということではありません。
ジェイミー・ダイモンも認めていますが、いつ景気後退が来るかの予想は困難です。(というか不可能)。JPモルガンもシステムや店舗への投資を中断することはせず、計画に沿って投資を実行していきます。しかし、景気後退への備えをしっかりと行っていくということです。
ジョーカーも今後景気後退は不可避だと考えていますが、今すぐ株式を売却することは考えておらず、今のポジションを維持しながら景気後退に備えて現預金を積み上げています。また株式ポジションが想定以上に小さくなれば株式への投資を行っていきます。