- ゼネラル・ミルズ(GIS)は年初来+31%の高パフォーマンス
- ブルーバッファローの買収の影響がなくなれば今後は高成長が期待できない
- のれんが総資産の70%に達しており注意が必要
- 配当は安全であるが成長は期待できない
年初来パフォーマンス+31%と絶好調
加工食品大手のゼネラル・ミルズ(GIS)は年初来31%の上昇しています。
同期間にS&P500は11.6%、生活必需品セクターETFは8.7%の上昇でありアウトパフォームする結果となりました。
*2019年3月25日時点のデータです
その他の加工食品銘柄と比較してもゼネラル・ミルズは最も高いパフォーマンスとなっています。
General Mills Stock Is Up ~31%—Will the Uptrend Continue? - Market Realist
より
2019年第3四半期の業績は良かったが懸念事項も多い
これでゼネラル・ミルズ(GIS)が安泰かと言えば、実は違います。
まず株価が堅調な理由は直近の業績が良かったからです。
- 売上高は前年同期比8%増加の42億ドル。
- 営業利益は14%の増益
成熟産業で8%の増収はすごいことです。しかし好業績の中身はペットフード企業ブルーバッファローの買収による影響が大きいです。
この買収の影響を除けば1%の低成長となります。
つまり買収の影響で見た目が良くなっただけであり、既存ビジネスについては苦境が続いているということです。
この結果、ゼネラル・ミルズ(GIS)は2019年は成長が見込まれるが2020年は再び低成長に戻ると予想されます。
多額の「のれん」が計上されており要警戒
次に注意すべき点はのれん・無形資産の増加です。
ゼネラル・ミルズ(GIS)はブルーバッファロー買収により「のれん」が急上昇しています。
「のれん」の割合が高い企業は要注意です。最近ではクラフト・ハインツが「のれん」の減損で大暴落しています。
下の表はゼネラル・ミルズの直近のバランスシートの資産のみを抜粋したものです。
赤色のところが「のれん」と無形資産です。
2018年2月時点で134億ドルあった「のれん等」が2019年2月には212億ドルと57%増加しています。
この影響で総資産に占める「のれん等」の割合は60.6%→70.1%まで上昇しています。クラフトハインツの「のれん等」は80%であり、ゼネラル・ミルズはまだマシですが、注意すべき水準です。
配当の安全性と成長性
GIS: Dividend Date & History for General Millsより
ゼネラル・ミルズ(GIS)は高配当で人気のある銘柄です。今は3.7%程度ですが、2018年末近くでは5%近くありました。
また1928年に上場してからは一度も減配をしていない企業なので株主としては減配のリスクは小さいと思います。
配当性向も未だ余裕のあるレベルであることを考えれば減配のリスクは低いと考えます。
ただ配当の成長が見込めるかと言われれば、そうは思いません。
ゼネラル・ミルズ(GIS)の事業は成熟しきっており、買収による成長しか見込めない状況です。
買収の選択肢も今のバランスシートを勘案すれば多くは見込めません。無理に買収をした場合、更なる財務悪化を起こしてしまうからです。
このように考えれば現在の株価でのゼネラル・ミルズ(GIS)への投資は良い選択肢とは言えないでしょう。