2019年3月22日の米国株は大きく下落しました。
S&P500は1月3日以来、今年2番目の下落率です。
S&P500種株価指数は前日比1.9%安の2800.71で終了。ダウ工業株30種平均は460.19ドル(1.8%)安の25502.32ドル。ナスダック総合指数は2.5%下げた。米10年債利回りは10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.44%。
【米国株・国債・商品】株が反落、ダウ460ドル安-景気減速懸念 - Bloombergより
大幅安となった原因
ドイツ・フランスの製造業購買担当者指数(PMI)が予想を下回ったことがきっかけで大幅下落となったようです。
ニューヨーク原油先物相場は3週間ぶりの大幅安。ドイツとフランスの製造業購買担当者指数(PMI)が市場予想を下回るなど、発表された統計が失望を誘う内容だったことを受け、世界的な景気減速懸念が再燃した。
【米国株・国債・商品】株が反落、ダウ460ドル安-景気減速懸念 - Bloombergより
なんか違和感がありますよね。
少し前から経済指標は既に悪化しています。何故、今更経済指標が悪いからといって大幅安になったのか理解できません。
そもそも現状の株価水準は高値で不安定化しており、何かきっかけがあれば大きく崩れるという状況です。
この「きっかけ」が何かを投資家が探しているのだと思います。
今回は経済指標の悪化が「きっかけ」でした。1月3日の下落の「きっかけ」はアップルショックでした。
株価、債券、為替チャート
S&P500は2800.71です。下げたとは言え、昨年末に比べればまだまだ高い水準。週明けの株式相場で下落が続くようであれば警戒が必要です。200日移動平均では2755なのでこの水準を下回れば暴落の可能性もあります。
債券は買われています。10年米国債利回りは2.44%まで下落しています(債券価格は上昇)。
また3か月国債の利回りは2.45%となり逆イールドとなりました。これは景気後退の兆候と考えられており、投資家が警戒を強めた理由の一つでもあります。
為替では円高が進み110円前後です。このようなリスクオフの時期にはやはり円高になります。
最近ゴールドマンサックスが次のショック時にはドル円は60円までいうと発言してニュースになりました。
2008年の「リーマン・ショック」後、米当局が短期金利を引き下げ量的緩和(QE)を導入して長期金利を押し下げる中で、円は大きく上昇。11年10月には戦後最高値となる1ドル=75円35銭を付けた。ジメルカ氏は、次の危機時には「1ドル=60円まで行く」と予想。「ドルに対して日本の金融システムに構築されている巨大なレバレッジがある」と述べた。
ゴールドマンのストラテジスト、次の危機で1ドル=60円の円高を予想 - Bloombergより
VIX指数、恐怖強欲指数
VIX指数(恐怖指数)は16.48まで急上昇。20を超えれば警戒が必要です。来週どこまで上昇するかが見物です。
Fear & Greed Index - Investor Sentiment - CNNMoneyyより
恐怖強欲指数は59であり。まだ強欲側にふれています。しかし前日の68からは急激に減少しています。
まとめ
今回の下落はドイツ・フランスの経済指標が悪かったことをきっかけに発生しました。また長期国債利回りは低下して逆イールドとなり、投資家が一気に警戒モードになった結果だと考えます。
週明けの相場で更に下落が進むようであれば、雪崩のごとく相場がくずれる可能性もあります。
先週FOMCは今年の利上げ停止及び資産圧縮を9月に停止することを発表しています。これは世界的な景気後退に備える動きであり、実際の経済動向に先行する株価は、先に下落する可能性があります。
このような時期には保守的なポートフォリオを構築する必要があると考えます。