ジョーカーの資産運用ブログ

米国株・資産運用・家計を中心に書いていきます

長期的に株式投資が最適解であるが、いつでも最適とは言えないデータ

クレディ・スイスが119年の投資データを公開したので共有します。

 

www.credit-suisse.com

 

このデータは超長期の投資データを提供しており投資家には非常に役に立つデータだと思います。

 

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主要エリアの1900年から2018年(119年間)における株式・債券の実質リターン一覧

下の表はヨーロッパ、日本、スイス、英国、米国、世界の株式、債券の実質リターンを示しています。実質リターンとはインフレ率を考慮した実質的なリターンです。

 

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左側のGeometric mean(%)が幾何平均であり、一般的に利用されるリターンの数値です。

ここで伝えたいことは超長期では株式リターンは債券リターンを上回るということです。上の表でも上のReal equity returns(株式リターン)はReal bone returns(債券リターン)を上回っています。これは長期では株式に投資すべき理由となります。

しかし平均的には株式は債券を上回りますが、1年という期間でみれば必ず株式が上回るものではないことに注意が必要です。

Standard deviation(標準偏差)は一般的にリスクの度合いと考えられており、標準偏差が高いということは資産価格の変動が大きいということになります。つまりハイリスクハイリターンということです。

標準偏差は株式が債券を上回っています。つまり変動幅は株式が債券を上回っており、毎年のリターンでは債券が勝つこともあるということです。

このデータから分かることは長期で投資すべき資金については株式に投資すべきということです。

個人型確定拠出年金やiDeCoといった長期間の運用が前提となる制度を利用する場合、株式比率を上げることが最適解となります。

 

下のグラフは各国の株式投資のリスクプレミアム(債券投資に対する株式の超過リターン)を示しています。1900年からの超長期では全ての国で株式投資のリスクプレミアムがプラス(株式投資が債券投資に勝っている)になっています。

歴史的には日本はリスクプレミアムが高く、債券投資が報われないことが分かります。

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いつでも株式投資が債券を上回るとは言えない

下のグラフは米国の株式、債券、キャッシュのリターン比較です。濃い青色(左側)が株式、薄い青色(真ん中)は債券、紺(右側)はキャッシュのリターンを表します。

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2000年から2018年までの期間では株式の実質リターンは2.9%に対して債券リターンは4.6%と債券投資が株式を上回っています。

2000年はITバブルの時でシラーPERが40を超えていた時期です。このようなタイミングで株式に投資した場合、株式であろうとリターンは小さくなります。

 

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Shiller PE Ratioより

 

 

2019年3月の米国株式の評価

現在の株式評価は決して割安ではありません。しかしITバブルに比べれば割高でもないようです。このことから長期的には米国株への投資は債券を上回る可能性が高いと考えられる。しかし、割安の水準でもないことから今後の株式リターンは過去の平均リターン6.4%を下回ると考えられる。

従って投資家は過度な期待をしないほうが賢明である。