どうもジョーカーです。
2018年の代表的な転落銘柄であり、ダウ採用銘柄からクズ株となったGEについての記事です。
ダナハー出身の新CEOラリー・カルプはできる奴っぽい
GEは昨年、GE生え抜きであったジョン・フラナリーCEOをクビにして米国医療機器、計測装置メーカーのダナハーの元CEOであるラリーカルプがCEOに就任しました。就任後、2018年7-9月期に電力部門の「のれん」の減損処理等を行い228億ドルという巨額の赤字を計上しました。これはGEの過去最大の大赤字です。これはCEOが後退した時によく起こることです。今までの経営者の責任による赤字をだしきりスタートするやりかたです。今は捕まってしまった日産ゴーンさんも同じようなやり方で日産をV字回復させています。
ラリー・カルプはダナハーのCEOを2000年から2014年まで務めています。この間ダナハーの株価は右肩上がりです。
https://stockcharts.com/h-sc/uiより
ダナハー自体は1984年以降に400超の企業を買収して成長してきた会社です。買いまくる会社は危ない会社が多いですが、ダナハーに関しては買収会社を改善して利益率を向上させ、成長させてきた企業です。買収した企業は成長しており、ほとんど売却していないという実績があります。
今回、このダナハーにGEのバイオ医薬事業を売却するようです。214億ドルという巨額の売却であり債務削減を急ぐGE再生の大きな一歩となります。
ちなみにGEの2018年12月期の借入れは1,080億ドルあり、全額借入の返済となった場合、2割の債務削減です。
ダナハーを再生させた実績のあるラリー・カルプが再度GEを復活させるというストーリーが実現してほしいものです。
この発表を受けたGE株価は上昇しています。
ヘルスケア事業はGEに残す方針へ
ジョーカーが最も関心を持ったことはヘルスケア事業をGEに残すという戦略転換です。当初GEの稼ぎ頭の一つだったヘルスケア事業はGEから売却する計画でした。ジョーカーは稼ぎ頭の事業を売却しても残った会社はクソだなと思っていました。GEでまともなのは航空機エンジン部門とヘルスケア事業の2つです。そのうちの1つを売却するなら残った企業は厳しいなと考えていました。
今回のバイオ機器事業を売却することで、他のヘルスケア事業はGEに残るためGEの稼ぐ力は以前の計画に比べまともなものになったと思います。
GEの今後のシナリオ
今回に売却はGE再建の大きな一歩となります。今後、再生を加速させるためには以下の点が必要です。
- 赤字の電力事業の改善。他部門の利益率改善
- 資産売却による債務の圧縮
- 攻めのM&Aによる既存事業の成長
今回の取引によりラリー・カルプの市場の評価は高まったと思います。ダナハーの経験がありますが、ダナハーよりも大きなGEという企業を再生へ導けるかは未だ不明です。
2018年は守りを重視した経営になると思います。資産売却による債務削減、リストラによるコストダウンを優先させるということです。これに目処がつけば、今後はダナハーで行ったような成長のための買収→改善による成長軌道に戻ると思います。
逆のシナリオは
- 既存事業の利益率低下。電力事業は赤字を継続
- 資産売却の停滞
- 守るだけでキャッシュがつきる
です。こうなればGEには見切りをつけなければなりません。