ゼネラル・ミルズの概要
ゼネラル・ミルズとは
ゼネラル・ミルズ(ティッカー:GIS)はアメリカを代表する食品メーカーです。100以上のブランドを世界100カ国以上で販売しているグローバル企業でもあります。
有名なブランドはやり「ハーゲンダッツ」でしょう。アイスクリーム以外にシリアル食品、スナック、冷凍食品等を扱っています。
1928年に上場した歴史のある企業でもあります。上場してからは減配を一度も行っていない企業であり配当中心に考える投資家には人気のある銘柄となっています。
PLの推移
安定の食品関連企業でありリーマンショックを含む決算(2018年5月から2019年5月)でも増収増益となっている不況に強い企業です。しかし2014年5月期をピークに減収傾向が続いています。営業利益でみても2014年4月期がピークになっており物足りない数値となっています。成長を重要視する投資家からすれば物足りない内容であると思います。
株主還元
株式数は自社株買いの影響で毎期減少しています。また配当を増加させており株主還元に積極的な企業を言えます。
現在の配当利回りは4.4%と魅力的な数値となっています。
GIS: Dividend Date & History for General Millsより
直近のパフォーマンスは最悪
過去10年のゼネラル・ミルズの株価推移
GIS | SharpChart | StockCharts.comより
リーマンショック後に17ドルまで下落してからは株価は回復。その後は概ね右肩上がりで上昇しています。2016年に株価はピークをつけて68ドルまで上昇。その後、下落に転じて現在は44ドルとなっています。
こう見れば最近のパフォーマンスが冴えないことが良く分かります。
特に直近の決算発表後に大きく売られました。内容としてそんなに悪くなかったのですが、利益率の悪化が売り材料となったようです。
食品関連株の年初来株価推移
バンガード・トータル・ストック・マーケットETF【VTI】:+0.48%
ゼネラル・ミルズ【GIS】:▲23.47%
クラフト・ハインツ【KHC】:▲25.16%
ハーシー【HSY】:▲17.18%
キャンベル・フーズ【CPB】:▲11.17%
モンデリーズ・インターナショナル【MDLZ】:▲6.2%
実はゼネラル・ミルズ以外の食品関連銘柄も最近は株価が低迷しています。
(ベンチマークはVTIとしました。年初来のVTIはほぼ横ばいです。)
その中でも20%以上の下落は暴落に近くバフェットが投資するクラフト・ハインツと並び最悪の運用状況となっています。
売られる理由は
- 消費者の嗜好変化による売上低迷(新鮮で健康的な食品へ消費者のニーズが変化している)
- 販売しているスーパーの在庫管理の強化、競合他社やプライベートブランドとの競争による利益率低下
- 販売促進費用やブランド投資の増加、輸送コストの増加による利益率低下
と言われています。
ゼネラル・ミルズはペットフード大手のブルーバッファローを買収。成長軌道に戻せるか
ここまでマイナスイメージしかありません。そこで経営陣は起死回生の買収を実行しようとしています。それはアメリカペットフード大手のブルーバッファローの買収です。
ブルーバッファローとは
ブルーバファローは2002年創業でオーガニックなペットフードを販売しています。ペット関連も人間の食事と同じで健康的なものが売れています。そのためブルーバッファローは急成長中で過去3年間12%の増収を続けています。この成長がゼネラル・ミルズには必要なのです。
ブルーバッファローの売上高は12億7500万ドル、EBITDAが3億1900万ドルの企業です。ゼネラル・ミルズは1/12くらいの会社ですね。しかし成長が続けばゼネラル・ミルズには大きな力になります。
アメリカのペットフード市場は300億ドル程度となっており年間3から4%程度成長が見込まれています。この中でブルーバッファローはナチュラルペットフードナンバー1のポジションを武器に市場を拡大させています。
この買収が成功すればゼネラル・ミルズの減収がストップし成長軌道に戻ることが期待されています。ゼネラル・ミルズへ投資する者としては是非上手くいってほしいものです。
まとめ
ゼネラル・ミルズの直近の業績は不調なため株価は下落しています。消費者の嗜好の変化や販促費、減価の増加等、小売業との競争もあり利益率は低下して今の製品群だけでは再び成長路線に戻ることは難しいです。
経営陣は起死回生の買収を発表しており成長を続けるペットフード市場で当社の再生を図ろうとしています。
ブルーバッファローはまだ若い企業でありゼネラル・ミルズに加わることで販路を大きく開拓できるものと考えられます。今後、成長軌道に戻るかどうかが楽しみです。