ジョーカーの資産運用ブログ

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最強ヘルスケア企業ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)について

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ジョンソン・エンド・ジョンソン(ティッカー:JNJ)は一般消費者向け商品、医療機器、医薬品と幅広いヘルスケア関連のビジネスを行う企業です。

日本でもバンドエイド、リステリン、コンタクトレンズ等日常生活にかかせない商品を提供しています。

 

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製品情報 | ジョンソン・エンド・ジョンソン

 

55年連続増配をしており配当王としても有名です。キャッシュの使い方としてはビジネスの成長のための研究開発(2017年:105億ドル)が最優先として使われます。残ったフリーキャッシュフローをM&A(2017年:350億ドル)及び株主還元として配当(2017年:90億ドル)、自社株買い(2017年:100億ドル)に利用されます。

 

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http://files.shareholder.com/downloads/JNJ/5429610954x0x969282/EE6F6A37-2219-461C-8DAF-44C01A83E42C/JNJ_Earnings_Presentation_4Q2017_.pdf

 

2017年は二つのM&Aが完了しています。1つ目はアボット・ラボラトリーズから眼科関連の手術用製品やコンタクトケア製品を扱うアボット・メディカル・オプティクス(AMO)を買収。こちらが約50億ドルです。

 

www.sankeibiz.jp

 

2つ目はスイスの製薬大手のアクテリオンを300億ドルで買収しています。

 

jp.reuters.com

 

 

事業構成について

売上構成比率

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売上比率としては医療用医薬品が47%と最大です。次いで医療機器、一般消費者向け製品と続きます。

製品別売上の推移

 

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直近5年間の製品別売上推移です。5年前と比較すれば医療用医薬品のみが伸びています。

  • 医療用医薬品(281億ドル → 362億ドル)
  • 医療機器(284億ドル → 265億ドル)
  • 一般消費者向け(146億ドル → 136億ドル)

 

 

2016年から2017年にかけての売上成長率

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2016年から2017年にかけては全セグメントがプラス成長となっています。特に伸びが大きいのは医療用医薬品部門です。為替及び買収等の影響を除いても4.2%の成長をしており既存の医薬品も好調であることが分かります。

 

医療機器もプラス成長になっておいます。医療機器部門はアボット・ラボラトリーズから眼科領域の事業を買収した要因が大きいですが、買収影響除いた成長率も1.5%となっています。

 

最後に一般消費者向け事業です。こちらは買収等の影響を除けば減収です。従って既存事業は微減となっています。

 

財務データについて

過去10年間のPL推移

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売上高及び営業利益、純利益はプラス傾向です。10年間の平均売上増加率は2.27%、営業利益の増加率は3.2%です。これだけ大きな企業で成長を続けることは難しいですが、さすがジョンソン・エンド・ジョンソンといったところです。また高い利益率は維持しており素晴らしいです。

 

2017年は純利益ベースで大幅な減益となっていますが税制改革に伴う一過性費用135億ドルが計上されているからです。単純に税制改革に伴う費用のみを修正すれば148億ドルの純利益となります。

 

株式数、1株利益、配当、FCFの推移

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税制改正関連の費用があり2017年のEPSが減少しています。135億ドルの税制改正費用のみを修正した場合1株利益は5.41ドルとなります。

配当は55年連続増加しています。自社株買いにより株式数も減少しており株主還元に積極的な企業と言えます。

 
営業CF、FCF、売上高FCF比率の推移

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営業CF、FCFともに増加傾向にあります。売上高FCF比率も最近では増加傾向でありキャッシュを生む力は強いです。

インタレストカバレッジレシオ、ROE、ROICの推移

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インタレストカバレッジレシオは直近では20を下回りました。十分高い水準ですが低下しているため少し注意が必要です。アクテリオンやAMOといった大型買収もあり借入を増加させていると考えられます。

ROE及びROICの低下も税制改革に伴う一過性費用の要因で異常値となっています。

 

過去10年間の貸借対照表の推移(パーセント表示)

<資産の部>

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2017年は資産構成が大きく変動しています。無形固定資産が大きく伸びて現預金が減少しています。これはアクテリオンやAMO買収にともない特許や商標関連、のれんを計上したからです。また買収資金で多額の手元キャッシュを使ったことがわかります。

 

<負債及び純資産の部>

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続いて負債欄ですがやはり借入金が増加しています。純資産についても税制改革に伴う費用により純利益が圧迫され、配当、自社株買いによる株主還元のため比率は低下しています。

2016年までは現預金が借入金を上回る実質無借金でしたが2017年には借入が現預金を上回っています。財務的には普通の企業になったなという感じです。

 

PER及びShillerPERの推移

<PER>

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直近決算のPERは異常値なのでPERだと判断できません。

 

<ShillerPER>

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ShillerPERでみた場合でも若干割高感があるようです。

 

 

結論

今回はジョンソン・エンド・ジョンソンを調査してみました。医療用医薬品が成長を牽引しており2018年も成長が期待できます。また医療機器部門もプラス成長に転じています。

 

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2018年のガイダンスでは売上高が為替影響除きで3.5%から4.5%の増収を見込んでいます。

ジョーカーはジョンソン・エンド・ジョンソンを保有していますが今後も継続保有していきます。場合によっては追加購入も検討しています。