ジョーカーの資産運用ブログ

米国株・資産運用・家計を中心に書いていきます

【米国株】ドラッグストア大手CVSヘルス(CVS)は生き残れるのか

f:id:investmentblog:20180303211125p:plain

ジョーカーの個別銘柄で2番目のポジションとなっているCVSヘルス(ティッカー:CVS)について書きたいと思います。

 

CVSヘルスは米国の大手ドラッグストアチェーンを運営している企業です。またPBMの大手であり小規模なクリニックの運営、専門的な薬局の運営も行っています。ジョーカーは売上及び利益の成長、低いPER、配当の伸び率に魅力を感じて購入に至りました。

 

財務データ、PER、株主還元

過去10年間の財務データ

f:id:investmentblog:20180303170914p:plain

Growth, Profitability, and Financial Ratios for CVS Health Corp (CVS) from Morningstar.com

 

売上高は右肩上がりで上昇しています。これは素晴らしいですが利益率が低下している点が気になります。競争力がある企業は通常「堀」を有しており利益率は安定的に推移します。

「堀」がない企業は厳しい競争、新規参入による脅威によりマージンが削られて利益率が低下していきます。CVSヘルスの場合は競合との激しい競争により利益率が低下しているものと考えられます。

 

1株利益、配当、FCFの推移

f:id:investmentblog:20180303193652p:plain

利益、FCFも順調に伸びています。配当も増加させていますが、まだ余裕がある水準です。税制改革の影響の除いた場合、2017年12月の1株利益には5.9ドルとなります。

過去10年間のPER

f:id:investmentblog:20180303172552p:plain

過去10年間のPERをみると現在の株価水準は割安感があります。ただし今後エトナ買収のために借入金を増加させます。当然リスクが高まるので注意が必要です。

 

過去10年間の配当、株式数の推移

f:id:investmentblog:20180303191643p:plain

 株式数は毎年減少、配当は毎年増額しているため株主還元に積極的な企業と言えます。

ホームページに記載のある資本配分は以下の通りです。

  • 収益性の高いプロジェクトへの投資
  • 目標配当性向35%になるまで配当を増加
  • 毎年、40億ドルから50億ドルの自社株買いを実施

Capital Allocation | CVS Health Investors

 

2018年はエトナ買収により借入金負担が増加するため、債務削減を優先させます。そのため配当については年間2ドルに据え置き、自社株買いはストップする予定です。

 

米国のドラッグストア業界

アメリカのドラッグストアはCVSヘルスとウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(ティッカー:WBA)、エクスプレス・スクリプツ・ホールディングス(ティッカー:ESRX)の大手3社で約50%を占めています。

寡占とまでは言えない状況ですが大手3社でこれだけのマーケットシェアをカバーしていることは当然ながら仕入先(製薬メーカー、卸売業者)との交渉に有利に働きます。

 

また小規模なドラッグストアが残っているということはM&Aによる規模拡大の余地が残されているということです。大手ドラッグストアは今までも他ドラッグストアを買収して規模を拡大させてきました。そしてCVSヘルスもM&Aによって成長してきた企業です。

 

f:id:investmentblog:20180303161926p:plain

 

 

f:id:investmentblog:20180303160547p:plain

Drug Channels: The Top 15 U.S. Pharmacies of 2016

 

 

今後の成長の源泉とアマゾンに対する対抗策

CVSヘルスの今後の成長は何によってもたらされるのかを考えたいと思います。

 米国も日本と同じように高齢化が進みます。当然、医療関連のニーズが高まります。しかし米国は日本のような公的な医療保険ないです。オバマケアで少し日本のようになったみたいですがほとんど機能していないようです。

このような状況で米国全体で安価な医療サービス提供に向けて企業が動いています。

最近、話題となったのがアマゾン、バークシャーハザウェイ、JPモルガンによる医療関連企業の設立です。

 

アマゾン、バークシャー、JPモルガンがヘルスケア企業を設立へ - Bloomberg

 

米国の高齢化では医療サービスへの需要が増加する一方で、新規参入や政府からの圧力により医療コストは下がっていくと考えます。

ドラッグストアも当然コストを下げた運営を行う必要があります。これは規模の経済を生かして対応するしかないため大手CVSヘルスにとってはチャンスになります。

ドラッグストア業界には大手以外のプレイヤーがまだ残っていますが、今後の競争により規模が小さいところは淘汰がされると思います。従って、中小のドラッグストアを吸収することでCVSヘルスは成長していくものと考えます。

 

またCVSヘルスはPBMの主要3社の内の1社です。

PBMとは日本にないシステムですが医薬品メーカーに対して保険会社や企業が団結して交渉し安く仕入れるためのサービスを提供する企業です。CVSヘルスはPBMを内製化しているため仕入れコストは競合に比べ低く抑えることができます。

 

www.americabu.com

 

そして米国第3位の医療保険会社であるエトナ(ティッカー:AET)買収により医療保険会社も手に入れます。

米国の社会的ニーズである安価で高品質な医療サービス提供に向けてCVSヘルスは価値を提供し続けると考えます。医療保険、PBM、ドラッグストア、クリニックといった総合的な医療サービスが上手く機能すれば競合他社を寄せ付けない「堀」になるはずです。

これこそがCVSヘルスがアマゾンに勝つ方法でしょう。

CVSヘルスは正しい方向に進んでいると思います。今後も成長してもらいたいです。

 

結論

CVSヘルスは米国の医療問題をコスト面及び品質面から解決しようと試みています。大規模なドラッグストアネットワークとPBMにより安価な医療サービスを広範囲の顧客に提供することができます。

高齢化による医療サービスのニーズ増台の恩恵を受けられる企業であり今後成長が期待できますが、成長分野であるからこそ巨人アマゾンによる攻撃を受けている業種でもあります(アマゾンは成長が見込めない業種には参入しない)。

医療保険大手のエトナ買収はCVSヘルスの「堀」をより強固にするために役立つと考えますが、実際に上手く機能するかは未知数です。

また巨額の買収であり金利上昇時に大きな借入金を起こすことも財務面ではマイナスです。直近決算では営業利益ベースで減益であり今後の業績についても注意が必要かと思います。

 

ジョーカーが保有しているCVSヘルスの株式については「保有」を継続します。

 

 

過去に書いたのCVSヘルスに関する記事です。

エトナ買収資金は多額の借入金で賄うため注意が必要です。 

www.joker-investment.com

 

エトナ買収時の記事になります。

 

www.joker-investment.com